人形の家とヒワ 5
トーリーは、昨夜は暗くて見えなかった大きな油絵が壁にかかっているのを見つけます。
それは2人の女性と3人の子どもを描いた家族の肖像画でした。
2人の男の子は、髪を長くして、レースのえりのついた濃いみどりの絹の服を着ていました。
年長の子は、14歳ぐらいで、腰に剣をつり、飼いならされた鹿の首輪に手をかけていました。
弟の方は、片手に本をかかえ、もう一方の手にフルートを持っています。
残りの、人は女の子で、元気のよい笑顔を浮かべ、1羽のビワを手にしていて、床の上には、ヤナギ編みの鳥かごが、戸をあけたまま置いてありました。
2人の女性のうち1人は若く、手にバラの花かごを持ち、足もとには白い巻き毛の小犬がいて、もう1人は年とった黒い服の人でした。
トーリーは絵の中の人物が、みんな自分を見ているような気がして、おばあさんに聞いてみると、みんな昔この家に住んでいたオールド・ノウ家の人たちだということでした。
老人がオールド・ノウ夫人、もう1人の女性は子どもたちのお母さんで、男の子はトービーとアレクサンダー、女の子の名前はリネットだといいます。
リネットの手にとまっているビワの鳥かごは、昨夜寝たあの部屋の天井からさがっていたものでした。