猫の甲状腺機能尤進症について
甲状腺は生体の基礎代謝に関連した、もっとも重要なホルモンを産生します。
しかし、「過ぎたるは及ばざるが如し」のたとえのように、ホルモンの多すぎることもまた、重大な事態を招きます。
この病気は、約20年ほど前に、アメリカで見つかってから、その後、多くの症例が報告されているにもかかわらず、今日、日本での報告はまだ行なわれていません。
しかし、近い将来、必ず発見されると思われる猫の重大な内分泌疾患であると考えますので、ここにその概要を述べてみましょう。
甲状腺の腫蕩化(良性の場合が多い)に起因した、甲状腺ホルモンの産生過剰により、代謝充進を中心としたさまざまな症状が生じます。
食欲充進、多飲・多尿、嘔吐(ときどき)、排便回数増加、体重減少、落ち着きがなく、夜眠れないなど、すべて生体の代謝充進を反映した症状が発現します。
そして二次的に骨の病変や、心疾患へと進展し、死亡します。
病巣は通常、のどの部分を触診することにより、腫瘤を認めることができますが、触診では触知できない部位(前胸部)などに生じることもあります。
甲状腺機能抑制剤の内服、手術、あるいは内服と手術の併用などが一般的に行なわれ、良好な結果がえられます。
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