人形の家とヒワ 4
昨日の雨とは違って、外はすばらしい天気でした。
まるでお城の塔からでも見ているように、この部屋の三方の窓からは、ずっと遠くのひくい山やままで見渡せました。
あたりは何キロにもわたって水に覆われ、青い絹をかけたようでした。
しかし、この家をとりまく川は、土手の上の刈りこんだヤナギの並み木が水の上につき出て、その間を濁流が渦を巻いて流れているので、区別できました。
ろうそくに輝いていた昨夜のおばあさんの部屋には、朝ごはんの仕度がしてありましたが、おばあさんは戸口に立って、小鳥たちのためにパンくずをまいてやっていました。
おばあさんはまるで男の子のように、いたずらっぽくトーリーを見て、彼の手にマーガリンをたくさん塗ってくれます。
小鳥たちは彼のまわりに集まり、やがて、手にとまってマーガリンをついばみだしました。
くすぐったいのをじっと我慢して、目をつむっていると、近くで男の子のような笑い声がしました。
どうやらおばあさんの声ではありません。
しかし、目をあけて見ても、そこには他に誰もいませんでした。