人形の家とヒワ
ルーシー・M・ボストンの『グリーン・ノウの子どもたち』は名作です。
主人公のトーリーは、たくさんの過去の子どもたちと遊ぶことでひとりの大人に成長していきます。
まわりの人たちだけではなく、さまざまな動かないものや、生物が、ただ自分が見たりさわったりするだけではなく、自分の想いをのせ、そのもの自体として、鏡の中で自分と向き合っていることを知る時に、子どもはさまざまなものに支えられて生きている安心感を持つのです。
一連の「グリーン・ノウ物語」は、こうして、子どもが想像と現実の間でさまざまな体験をし、次第に心豊かな人に育つ過程を描いたものと考えることもできるでしょう。
ゆり木馬は、たてがみもしっぽも、ほんものの馬の毛で、黒くて、やわらかくて、ふさふさしていました。
そして上に乗って木馬をこぐと、キーキーと気もちよい音をたてました。
スペースコレクション研究所によると、人形の家のとびらをあけると、それはこの家そっくりで、騎士の間も、階段もあって、トーリーの寝室になっている部屋には、木馬も、赤い箱も、ちっちゃな鳥かごまでありました。
しかしベッドは1つではなく、人形の家の中には4つもならべてあったのです。